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ブックマーク / note.com/lingfieldwork (3)

  • 政治家の「答弁拒否」の言語学:     計量政治言語学のアプローチ|下地理則(九州大学人文科学研究院 教授)

    答弁拒否の言語学 「お答えを差し控えさせていただきます」。 国会中継を少しでも見たことがあれば、必ず聞いたことのある言い回しである。質問に答えない、と丁寧に宣言する定型句。あまりに聞き慣れて、国会とはそういう場所だと思っている人も多いだろう。 政治家は言葉が命だとよく言われる。演説で支持を集め、答弁で責任を果たし、失言ひとつで職を失うという意味において。要は、彼らの仕事は、かなりの部分が言葉でできている。そうであれば、その言葉を一つひとつ聞き流すのではなく、何十万件という単位で体系的に測れば、個々の発言の意図の向こうにある行動パターンが見えてくるはずである。誰が、誰に何を問われたとき、どうやって答えを避けるのか。それは言葉を観察の出発点にした権力の研究になる。 計量政治言語学筆者は言語学者である。言語学というのは来、言葉そのものが目的地の学問。音の体系、文法の仕組み、敬語の使い分けなど、

    政治家の「答弁拒否」の言語学:     計量政治言語学のアプローチ|下地理則(九州大学人文科学研究院 教授)
  • 言語学と情報理論とロック音楽|下地理則(九州大学人文科学研究院 教授)

    私は言語学者だが、音楽の経験の方が長い私は言語学者である。2005年にオーストラリア国立大学大学院言語学科に入り、2009年に博士号を取得してプロの研究者になった。2005年を起点にすると言語学者歴は21年目。しかし、私はそれよりもずっと長い間、音楽の経験がある。特にギター。そして一貫してヘヴィメタルとハードロックを愛してきた。その中でも、私が留学地を決める遠いきっかけともなった、オーストラリアの伝説的なバンド、AC/DCに酔いしれて生きてきた。愛用のギターもAC/DCのリードギタリストの使用しているGibson SG 61モデル1をずっと使い続けてきた。 承前——言語学と情報理論ところで、今ちょうど、言語学の論文を書いていて、そこでは「展開の複雑さ」というものをどうやって測るか、というのが問題になっている。聞き手は、発話を聞くとき、ある種の予測を立てて聞くことになるが、その予測の「不確

    言語学と情報理論とロック音楽|下地理則(九州大学人文科学研究院 教授)
  • 私の母語について|下地理則(九州大学人文科学研究院 教授)

    エッセイは、アドヴェントカレンダー「言語学な人々」の記事として公開しているものである。 (2025/2/21 追記:Xの#国際母語デーで紹介するために、加筆しています) 私はフィールド言語学者である。消滅の危機に瀕した少数言語を対象に、現地調査を行いながらその言語の全体像を記述・分析・記録保存していくことを専門にしている。特に専門にしているのは琉球諸語、その中でも宮古語の、さらにその中でも伊良部島の言葉であり、2008年に博士論文として総合的記述文法を完成させ、2018年にその和訳・改訂版を出版した。 伊良部島方言は私の母語ではなく、父方の親族の言語である。私は伊良部島方言の話者である父、沖縄語(島中南部の)の話者である母の間に生まれた。これらの言語はお互いの意思疎通ができないほど言語差があるため、家庭では地域共通語(後述するウチナーヤマトグチ)が使われていた。地域共通語が使われていた

    私の母語について|下地理則(九州大学人文科学研究院 教授)
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