かつて日本は世界のスーパースターで、1979年には『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本も出た。その頃、著者エズラ・ヴォーゲル氏にインタビューしたら、彼は笑って「あれはアメリカに対する皮肉なんですよ」と流暢な日本語で答えた。 ところがその後、日本はバブル崩壊でナンバーワンの座を転げ落ち、その処理に手間取って「失われた20年」などと言われ、誰も見向きもしなくなった。 日本の挫折は愚かな政治家の間違った経済政策によるもので、欧米の先進国には無関係だと思われていた。 日本のバブル崩壊の後を追う欧米経済 「しかし最近は風向きが変わった」と日本銀行の白川方明総裁は、1月10日にロンドンで行われた講演で皮肉まじりに語る。 過去数年間の米国、ユーロ圏、英国で起きてきたことを1990 年代以降の日本のバブル崩壊後の姿と比較すると、相違点よりも、類似点の方が圧倒的に多いというのが私の印象である。日本で過去