欧州からの対日投資が騰勢を強めている。財務省が発表している地域別国際収支統計によれば、10月の欧州からの対日証券投資はネットで3.0兆円の資本流入となった。9月(4.1兆円)の大幅流入からは減少したものの、基調としては2009年以降ほぼ一貫して拡大傾向が続いている。 資本流入の内訳を証券種類別に示したものが図表1である。これは、欧州の居住者が取得した日本の証券と、処分した日本の証券のネット金額をとったものだ。特徴としては2010年後半以降、短期債への投資意欲が高まる形で資本流入が加速している点が挙げられる。短期債というのは、期間1年以内の証券であり、そのほとんどは国債である。 高水準での推移が続く対日マネーフロー 図表から明らかなとおり、資金流入の拡大は2008年以来のことである。この時期はリーマンショックが起きた前後で、キャリートレードの巻き戻しとも言われる円買いが強まったタイミングでも