今年は自然科学分野のノーベル賞で医学・生理学賞の大村智(さとし)・北里大特別栄誉教授(80)と物理学賞の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)がダブル受賞。物理学賞は昨年の赤崎勇・名城大終身教授(86)ら3人に続く快挙となった。今世紀に入ってから日本人の受賞者数は15人で、米国の55人に次いで世界2位と健闘中。戦後、研究費の充実や科学者の育成を進めた成果ともいわれるが、受賞理由の多くは数十年前の研究業績で、今後も快進撃が続くとは限らない。一方、科学研究でも世界の覇権を狙う中国の猛追はすさまじく、日本への対抗意識に燃える韓国の存在も侮れない。 数十年前の研究業績 文部科学省によると、ノーベル賞が始まった1901年以降、医学・生理学、物理学、化学の自然科学3賞の受賞者数は、米国の250人がトップ。英国の78人、ドイツの69人が続く。一方、日本は21人(米国籍の南部陽一郎氏、中村修二氏を含む)で