フィリピン政府は2月11日、共同訓練などで同国を訪問した米兵らの法的地位について定めた「訪問米軍地位協定」(VFA)の破棄をアメリカ政府に通告したと発表した。同協定は当事国のいずれかが破棄を通告した日から180日後に失効すると定められており、このままいけば同協定は8月に失効する。 地位協定によって米軍関係者に充分な法的保護が確保されない限り、外国に派遣するべきではないというのが、アメリカ政府の基本方針である。VFAが失効すれば、米軍は兵士をフィリピンに派遣できなくなる。8月までにフィリピンが破棄を撤回するか、現在のVFAに代わる新たな協定が結ばれない限り、これまで実施してきたフィリピン軍と米軍の共同訓練もできなくなる可能性が高い。 蓄積していた不平等な地位協定への不満 フィリピンのドゥテルテ大統領がVFAの破棄を決定した理由は、米上院が1月にフィリピン政府の麻薬撲滅作戦における「超法規的殺
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