宇宙科学ミッションの歴史においても、真の科学的欲求に忠実に応えられることはそうそうない。何かしら妥協が入る。だから、着陸のような大変な難局で、制約を打破し、真の科学的欲求を引き出し、ディスカウントなしで「未知への挑戦」を完遂したことの価値はとても大きいのだ。 出典:津田雄一著『はやぶさ2 最強ミッションの真実』より あと1週間に迫ったJAXAの小惑星探査機はやぶさ2の地球帰還。2020年12月6日に地球に届くはやぶさ2のサンプルコンテナ入りカプセルには、小惑星リュウグウ上で2回のタッチダウン(着陸)を行った際に採取した、太陽系の歴史を映す物質が入っている。『はやぶさ2 最強ミッションの真実』(津田雄一著、NHK出版)は、世界で初めて小惑星に2回着陸し、地下の物質へのアクセスを成功させたはやぶさ2プロジェクトで2015年以来プロジェクトマネージャを務めている当事者中の当事者、JAXA 宇宙科