ちょっとした感動を覚えながら話を聞いていた。2020年10月1日に起こった東京証券取引所のシステム障害とそれに伴う株式取引停止に関する会見で、記者の質問に対する東証の経営陣の受け答えがあまりに「まとも」だったからだ。まともとは「当然そうあるべき対応」という意味だ。「システム関連トラブルの記者会見で、ようやくまともな話が聞ける時代になったか」と少し感動してしまったのだ。 実際に東証の出席者、特に横山隆介CIO(最高情報責任者)の受け答えは、本当にまともだった。「極言暴論」の記事なので事細かに褒めそやすことは控えるが、記者の質問に正対しているし、システムのことをきちんと理解したうえで話しているし、責任を回避したり誰かに押し付けたりするようなこともなかった。当然、記者会見も荒れなかった。 残念ながら記者会見の会場には行けなかったが、日経電子版のサイトで動画中継していたので、会見のもようをつぶさに