結びの一番が意外な展開となった。横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が西前頭筆頭の琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)と対戦。日馬富士がやや早めに立ち合ったが、低い当たりの琴奨菊に中に入られると右手で相手の体をタップして「待った」の合図。しかし、立行司の式守伊之助も審判も止めることなく、棒立ちになった日馬富士があっけなく土俵を割った。日馬富士は土俵の外に出た後も右手を挙げて「待った」をアピールしたが、勝負判定は変わらなかった。不完全燃焼の相撲内容に場内は騒然とした。 山科審判長(元小結大錦)は「(日馬富士は)自分で突っかけてるからね。言葉は悪いけど、(琴奨菊に)入られたから待ったをしてみたという感じ。『(行司が)残った、残った』って言ってるんだから、力を出さないとだめ」と、立ち合いが成立していたことを説明した。 日馬富士は今場所初黒星。琴奨菊は初金星を挙げ、3連勝とした。