「タモリ倶楽部」が約40年の歴史のなかで開拓・追求してきたのは、今日のオタク文化に繋がる「趣味の教養化」、そして「知的笑い」であった。その受け皿としての番組を失うことは、テレビ文化そのものの衰退に繋がるかもしれない。それほどまでに「タモリ倶楽部」は特別な番組だった。 2023年3月31日深夜の放送をもって、テレビ朝日の長寿バラエティ番組「タモリ倶楽部」が最終回を迎えた(関東地区ほか)。だが当初、放送40年という節目を機に終了するという報道になんとなく違和感を覚えた人もいたのではないだろうか? というのも、「タモリ倶楽部」という番組には、最後まで「現役感」があったからである。ここで「現役感」というのは、「タモリ倶楽部」という番組が現在の深夜番組、ひいてはバラエティ番組における一つのスタンダードになっていて、それを自ら体現し続けていたという意味である。脱力感溢れるマイペースぶりながら、よく毎回
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