日本の電子産業の衰退に歯止めがかからない。自動車と並ぶ外貨の稼ぎ頭だった電子産業は、2013年に貿易収支がとうとう赤字になった。同じ2013年の国内生産金額は、約11兆円にまで縮小した。2000年に達成したピークの約26兆円の半分以下である。日本の経済成長を支えてきた電子産業は、なぜ、ここまでの事態に陥ったのか。電子立国の再興に光はあるのか。連載「電子立国は、なぜ凋落したか」では、元・日経エレクトロニクス編集長で技術ジャーナリストの西村吉雄氏が、政策・経済のマクロ動向、産業史、電子技術の変遷などの多面的な視点で、凋落の本当の原因を解き明かしていく。