土星に代表されるように、太陽系の天体の幾つかは環を持っています。当初、環は4つの巨大惑星、すなわち木星・土星・天王星・海王星でのみ知られていたため、天体が環を持つにはある程度の大きさが必要であると考えられてきました。しかし、2014年にケンタウルス族の小惑星カリクローで環が発見されたことで、小さな天体にも環が存在することが実証されました。その後も小天体の環の発見は相次ぎ、現在では小惑星のキロンと準惑星のハウメアでも環が発見されています。 小さな天体の環は極めて細く暗いため、望遠鏡で直接観測を行うことはできず、環を見つけるには「星食」を観測する必要があります。小惑星が恒星の手前を横切ると、地球からは恒星が小惑星に隠されることで、一時的に消えたように見えます。これが星食と呼ばれる現象です。環を持たない天体が横切る場合に恒星が消えるのは1回だけですが、環を持つ天体の場合は本体の1回に加えて環が2