「再帰的近代化」ってなに 『現在研究中のトピック』へ戻る 「再帰的近代化」ってなに? ベックやギデンズが現代社会の特徴を把握するために用いた概念。ベックによれば、以前の近代化は自然と伝統という目的・対象(Objekt)を近代化していく「単純な近代化」であった。それは身分的な特権や宗教的な世界像を「脱魔術化」していく近代化である。しかし、現在、この近代化はその目的・対象を吸収し尽くして喪失し、自己を近代化していく段階に入った。これが「再帰的近代化」である。現代社会の変容と課題を理解するためには非常に有効な概念。 私がこの概念を知ったのは10年前の留学中のこと。テンニースやウェーバーの社会学を取り入れながら、この概念を用いて拙著はドイツ現代社会を論じた。 再帰的近代化の予備知識 英語やドイツ語には再帰動詞というものがある。<主語+動詞+目的語>といういわゆるS+V+O文型で、主語と目的語(ob