9月1日、横浜パシフィコにて開催された技術系開発者イベントCEDEC 2017にて、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のグラフィックスに関する公演が行われた。登壇者は、任天堂企画制作部アーティストの滝澤智氏と、企画制作部プログラマーの堂田卓宏氏。本公演では同作のグラフィックスの開発経緯が明かされたが、その要は、「レイヤー」を基調としたアーティストとプログラマーの協力にあったという。 堂田卓宏氏 両氏はまず、同作を「スタイライズド」なものであると規定した。「スタイライズド」は、「記号化された」と訳せる用語である。そもそもの設計思想から逆算すると、プレイヤーがなにかを行うと同時に、世界からすばやいレスポンスが帰ってくることが肝要であった。そこで、何が起こったのかを即座に認識してもらうための記号的表現が採られた。たとえば、食材を入れると全自動で料理ができあがる不可解な鍋、切り倒されると