私を見る人々の反応のほとんどは “驚き” で、最初のうちは「気にしないでくださいね」と声をかけるようにしていたが、余計驚かせることになるのでいつしかやめてしまった。 怒る人もいたけれど、彼らの声が届くより先に私はそこからいなくなったし、彼らもまた私のことなんてすぐ忘れるだろうと思った。 手を振る人もいた。おがむ人もいた。網のようなものを構えて私を捕まえようとする人もいた。最初は私も手を振りかえしたり会釈してみたり笑って逃げるふりをしていたのだけれど、そんなのにももう飽きてしまった。 もっとも多かったのはなぜか「親方!」と叫ぶ人で、それはなにか、暗号のようなものなのかといぶかしく思ったけれど、問い返す暇もないので無視することにした。 そろそろこんなのは終わりにしたいな、と思った。でもどうやったら終わるのかがわからない。地面にたどり着いたら終わりだろうか。そもそも私がこうしているのは地面にたど