以下は「2ちゃんねる創作文芸板競作祭 2010年冬祭り」のために書いた短編小説です。このイベントにはゲスト審査委員として招聘されていたのですが、あまりに質の悪い小説を10本ほど読まされたところでキレてしまい「こんなのなら俺でも優勝できるわい!」と思い、書き上げました。一方では「上手い!」と賞賛され、一方では「ゴミ!」と非難され、作者としても「俺は上手いのか、下手なのかよくわからんな」と微妙な気持ちになる評価を獲得しましたが、しかし、審査員は作品を提出しないという規定を確信犯的に違反したため「実は、書いたのは私です」と告白したところで失格となりました。今回は、作者解題をつけてここに転載します。 メッセージ・イン・ア・ボトル 冷たいアスファルトのうえを改造二輪車にまたがって疾走していく若者たちは、ひとりひとりがなにかに飢えていて、その欠乏感を埋めるためにスピードを求めているようだった。薄く雪が