神奈川県の小さな食品会社で営業課長をやっている。最近、社内での政争に若干敗れ、上司からの妬みや嫉みに追われるようにして静岡支社の建て直しも兼務している。支社といっても僕ひとりしか人員はおらず…というのは別の物語で、僕が支社の件で留守をしている隙に、部長がある商談をもってきて契約をまとめるように言ってきた。 部長は「1年前に貴様(僕)が詰めきれなかったがかわりに俺が煮込んで腸に詰めてやった案件」というが実際にはそうではなく僕のほうで断った仕事だった。とある社会福祉法人施設での食事提供の仕事で、法人の理事長が高額のバックを要求してきたのが断った理由。理事長は法人に高く請求しても構わないが、そこから手数料・紹介料として理事長個人に支払えと言ってきて決裂した話だった。 地元の名士だかなんだか知らないがクソ喰らえという個人的な感情もあるが、食べてもらう人のことを第一に誠心誠意考える、という社是に反す