鶏卵生産大手「アキタフーズグループ」(広島県福山市)の元代表(87)が鶏卵業界に便宜を図ってもらう目的で、元農林水産相の吉川貴盛衆院議員(70)=自民、北海道2区=に対し、現金を提供した疑いのあることが1日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部も把握しており、アキタ社の関係者を任意聴取するなどして、捜査を進めているもようだ。 吉川氏は11月、議員会館での産経新聞の取材に応じなかった。一方、アキタ社幹部は取材に「元代表らが任意聴取を受けているのは事実。詳しいことはわからない」と話している。 元代表は業界団体「日本養鶏協会」で副会長や特別顧問を務めるなど、長年に渡り業界のリーダーとして、政治家や農水省の官僚に多く接触していた。元代表は吉川氏の他にも、農水族議員らに現金を配布した疑いがあるという。 関係者によると、元代表は、家畜にとってストレスの少ない飼育環境を目指す「アニマルウェルフェア」