空港の外資規制の議論がかまびすしい。羽田空港のターミナルビルを所有する日本空港ビルデングの株式20%弱を、豪州のマッコーリーが取得したことに端を発しているようだが、どうもこの議論がぴんとこない。 第1に、「安全保障」対「外資導入促進」という対立軸の設定が腑に落ちない。そもそも日本空港ビルデングという会社が、なぜ「安全保障」云々という大問題と結びつくのか。 同社は、年間の連結売り上げが1400億円、2008年2月中旬現在の時価総額が1700億~1800億円という中堅企業だが、売り上げの大部分、約1000億円は羽田・成田での免税店や飲食店運営を中心とした、物販・飲食業である。空港という一等地の権益を保有している強みはあるが、いくらなんでも、これが日本の安全保障に関わるという議論は成り立たないだろう。 もちろん、羽田空港のターミナルビルを保有し、それを航空会社に賃貸する施設管理運営業からの収入が