2003年5月、りそな銀行への公的資金注入という衝撃的なニュースが、日本の市場を揺るがした。これが、日本における「さらなる金融危機・金融再編」の序曲なのか、それとも再編の終曲なのかは分からない。ただし、そうした中で、一時国有化を経験しながらも、再生の道を着実に前進し続けている金融機関がある。それが、新生銀行(旧・日本長期信用銀行)だ。同行は、ビジネスとITの両面でドラスティックな改革を断行し、本格参入を果たしたリテール市場でも、これまでの邦銀の“常識”を覆すような戦略的なサービスを提供している。ここでは、その新生銀行をIT革新によって支えるCIO、ジェイ・デュイベディ氏の戦略と展望に迫る。 佐々木俊夫 text by Toshio Sasaki 銀行のあり方を変える 新生銀行の執行役員(CIO)、ジェイ・デュイベディ氏は「新生銀行のシステム戦略には、個別の機能を“積み木”のように組み合わ