宇宙はなぜ泡のような構造をしているのか 宇宙は約138億年前に起こったビッグバンにより誕生したと考えられています。そして現在、宇宙は数千億個ともいわれる銀河が集まった「銀河フィラメント」※1と呼ばれる領域と、銀河がほとんど存在しない「超空洞(ボイド)」と呼ばれる領域が複雑に入り組んだ、泡もしくはハチの巣のような構造をしており、「宇宙の大規模構造」や「宇宙の泡構造」と呼ばれています(図1)。 この構造は宇宙の歴史や成分を解明するうえで重要な情報を含んでいます。従って、宇宙の大規模構造がいつ、どのようにして形成されたかを知ることは、宇宙の成り立ちを解明する上で欠かせません。そこで、コンピュータシミュレーションを使って、宇宙の大規模構造の謎の解明に挑戦しているのが、筑波大学計算科学研究センターの田中 賢(たなか・さとし)研究員です。 宇宙の大規模構造の原因はコールドダークマター 現在、宇宙の大規