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ブックマーク / planck.exblog.jp (5)

  • 重力波の直接観測 | 大栗博司のブログ

    今朝、ワシントンDCの全米記者クラブで、Caltech - MIT - LIGO の共同記者会見が開かれ、ブラックホールの連星が合体するときに放出された重力波の直接観測に成功したとの発表がありました。Caltechでも生中継を見るイベントがありました(左の写真)。 アインシュタインが重力波を予言して100周年の記念の年に、重力波の直接観測が達成され、宇宙を探求する新しい窓が開けたことになります。素晴らしいニュースです。 ブラックホール連星の合体の初観測でもあります(このビデオは、Caltechの数値計算プロジェクトが作成したものです)。 理論的に計算された重力波の波形との精密な比較がなされており、強い重力場における一般相対論の検証としても初めての例です。 LIGO は、Caltech のキップ・ソーンさんとロナルド・ドリーバーさん、MIT のライナー・ワイスさんらが中心になって、1979年

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  • 物理談話会 『インターステラー』 | 大栗博司のブログ

    昨日は、Caltechの物理教室談話会(コロキウム)で、Caltechの名誉教授で、映画 『インターステラー』 のプロディユーサー兼科学アドバイザーだったキップ・ソーンさんが講演をされました。 「ハリウッドでの物理学者の冒険」というタイトルで、SF映画に科学的内容をできるだけ盛り込むように、どのような努力をしたかというお話しでした。 この映画は、もともとはソーンさんと、友人映画プロデューサーのリンダ・オブストさんの発案でしたが、もともとの案では、CaltechとMITが行っている重力波検出実験 LIGO が土星の近くに大きな重力波源があることを発見するというストーリーでした。そのような重力波源はありえないと思ったら、土星の近くと遠くの星とが、ワームホールでつながっていた。そして、ブラックホールと中性子星の連星からの重力波がワームホールを伝わってきていたというのが話しの発端になるはずでした

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  • 日本物理学会 佐賀市民科学講演会 | 大栗博司のブログ

    講談社科学出版賞授賞式の翌日には、九州の佐賀市に向かいました。先週の木曜日から開かれていた日物理学会秋季大会の最終日の市民科学講演会で、「重力とは何か」と題したお話をするためです。 300名収容の講堂は、左の写真のようにほぼ満員で、しかも小・中・高校生がたくさん来てくれたのが嬉しかったです。 右下の写真は、ブラックホールの説明の導入部で、星の表面からの脱出速度を説明しているところです。 講演の後には、生徒さんたちから熱心な質問がたくさんありました。小学生が手をあげて、「量子力学は因果律と矛盾するのですか」と質問したのには驚きました。量子力学の状態の時間発展を記述する基方程式は因果律と矛盾しないが、その状態を古典力学の言葉で理解しようとすると、一見因果律と矛盾するように見えると答えました。 次には、同じ小学生が「量子力学はミクロな世界の法則だというが、どのくらい小さい世界のことか」と聞き

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    Ditty
    Ditty 2014/09/24
    “量子力学が巨視的な現象に当てはまらない理由は見つかっていない。”
  • 原始の重力波 | 大栗博司のブログ

    米国の東海岸時間の月曜日の正午(日時間の火曜日の深夜1時)にハーバード・スミソニアン天体物理学センターで、BICEP2望遠鏡の観測結果についての記者会見があるとの発表がありました。 発表の内容は明らかではありませんが、英国の『ガーディアン』紙によると、初期宇宙の時空間の量子的な揺らぎを起源とする原始の重力波の存在を、世界で初めて確認したのではないかということです。 BICEPとは Background Imaging of Cosmic Extragalactic Polarization の略で、南極点の近くのアムンゼン‐スコット基地に設置された望遠鏡を使い、138億年前の宇宙の始まりに発せられた、宇宙背景マイクロ波輻射(CMB)の偏光の観測を行うものです。上の写真の右側の望遠鏡が、第2世代のBICEP2です。 BICEPプロジェクトは、Caltechのアンドリュー・ラング教授とジェイ

    原始の重力波 | 大栗博司のブログ
  • ブラックホールの防火壁 | 大栗博司のブログ

    米国では、クリスマスの時期になるとジンジャーブレッドでおもちゃの家を組み立てて飾ったりしますが、先日Caltechの教員会館に昼に行ったら、ジンジャーブレッドで火星探査機「キュリオシティ」が作ってありました。 いかにも理科系の大学らしいと思いました。 さて、アインシュタインの一般相対論によると、ブラックホールのまわりに事象の地平線ができます。遠方の観測者からは地平線の中の出来事を観測することはできません。しかし、ブラックホールに近づいて、地平線の中に入ろうとすると、少なくとも古典力学の範囲では、地平線を越えるところで特殊な現象は起きないと考えられています。 ところが、数ヶ月前に、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のアルムヘイリさん、マルロフさん、ポルチンスキーさん、サリーさんは、量子力学的な効果を考えると、観測者が地平線を無事に越えられるとすると矛盾が起きると主張しました。 これは、量子

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    Ditty
    Ditty 2013/09/01
    "量子力学的な効果を考えると、観測者が地平線を無事に越えられるとすると矛盾が起きる"
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