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ブックマーク / www.kyoto-u.ac.jp (10)

  • 光で冷える半導体 ~光学冷却の実証に成功~

    山田琢允 化学研究所特定助教、金光義彦 同特任教授、山田泰裕 千葉大学教授、大木武 同博士前期課程学生、市川修平 大阪大学准教授、小島一信 同教授らの研究チームは、次世代太陽電池や発光デバイス材料としても期待されるハロゲン化金属ペロブスカイトを用いて、光で物質を冷やす「半導体光学冷却」の実証に成功しました。光を使った冷却は、物理的に孤立した状況にある物質でも冷却できるため、従来の冷却手法とは全く異なる応用の可能性があります。 研究成果は、2024年8月29日に、国際学術誌「Nano Letters」に掲載されました。 (上)研究で用いた試料(CsPbBr3/Cs4PbBr6)の写真。光照射で緑色の明るい発光を示す。(下)アンチストークス発光の原理。

    光で冷える半導体 ~光学冷却の実証に成功~
  • Sr2RuO4での「パインズの悪魔」の観測 67年前に予言された金属の奇妙な振る舞いの発見

    文および「詳しい研究内容について」(PDF)を一部修正しました。(2023年8月17日) 1956年に米国の理論物理学者デイヴィッド・パインズは、固体中の電子の奇妙な状態を予言しました。通常、電子は質量と電荷を持ちますが、パインズは電子が結合して、質量がなく、電気的に中性で、光と相互作用しない複合粒子を形成できると考えました。彼はこの新しい粒子を「特異な電子の運動をになう粒子」という言葉の頭文字をとって「DEM-on」(悪魔)と名付けました。しかしながら、これまでこの粒子が実際に観測されたことはありませんでした。 この度、前野悦輝 高等研究院連携拠点教授(豊田理化学研究所フェロー)、ピーター・アバモンテ イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校教授らの研究グループは、「パインズの悪魔」が予言されてから67年後、ついにそれを発見しました。物質の電子モードを直接励起する特別な手法を用いて、ス

    Sr2RuO4での「パインズの悪魔」の観測 67年前に予言された金属の奇妙な振る舞いの発見
    Ditty
    Ditty 2023/08/19
  • 生命が居住可能な系外惑星へのスーパーフレアの影響を算出 -ハビタブル惑星における宇宙線被ばくの定量化に成功-

    山敷庸亮 総合生存学館 教授、 佐々木貴教 理学研究科助教、柴田一成 同教授、 前原裕之 国立天文台 助教、Vladimir Airapetian アメリカ航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター(NASA/GSFC) 博士、野津湧太 コロラド大学・ 日学術振興会海外特別研究員、佐藤達彦 日原子力研究開発機構 研究主幹、野津翔太 ライデン大学・ 日学術振興会海外特別研究員らの研究グループは、太陽型恒星でのスーパーフレアの発生頻度とエネルギーおよび極紫外線を考慮した惑星放射線環境と大気散逸の定量的評価を世界で初めて行いました。また、フレアにより放出される高エネルギー宇宙放射線によって起こりうる地表面での被ばく量は、惑星が地球と同じ大気圧を備えている限り地球型生命にとって致命的なレベルにはならないことを明らかにしました。 さらに、近年生命の居住可能性(ハビタブル)が議論されているプロキシマ

    生命が居住可能な系外惑星へのスーパーフレアの影響を算出 -ハビタブル惑星における宇宙線被ばくの定量化に成功-
  • 雷が反物質の雲をつくる -雷の原子核反応を陽電子と中性子で解明-

    榎戸輝揚 白眉センター特定准教授、和田有希 東京大学博士課程学生、古田禄大 同博士課程学生、中澤知洋 同講師、湯浅孝行 博士、土屋晴文 日原子力研究開発機構研究副主幹、佐藤光輝 北海道大学講師らの研究グループは、雷が大気中で原子核反応 (光核反応) を起こすことを突き止めました。 研究成果は、2017年11月23日午前3時に英国の学術誌「Nature」 に掲載されました。 日の冬季雷雲は、強力な雷雲や雷を研究する絶好の観測ターゲットです。国内には、私たちのように宇宙観測や素粒子・原子核実験の手法を用いるグループのみならず、大気電気やレーダー観測、気象シミュレーションを駆使して雷に挑む多様な研究者がおります。今後は、分野の枠を超え、多様な手法を組み合わせた学祭的な研究コラボレーションを構築し、 「雷雲や雷の高エネルギー大気物理学」という新しい分野を切り拓いていきたいと考えています。また

    雷が反物質の雲をつくる -雷の原子核反応を陽電子と中性子で解明-
  • 乱雑さを決める時間の対称性を発見-100年前の物理と数学の融合が築くミクロとマクロの架け橋-

    佐々真一 理学研究科教授、横倉祐貴 理化学研究所基礎科学特別研究員との共同研究チームは、物質を構成する粒子の「乱雑さ」を決める時間の対称性を発見しました。 研究は、米国の科学雑誌「Physical Review Letters」(4月8日号)に掲載され、Editors’ suggestionに選ばれました。 「乱雑さ」と「対称性」は、物理学の基的な概念です。 しかし、これらは性格が全く異なっており、両者の関係 など想像もしませんでした。今回、偶然にも、両者が結 びつくことになり、二人の著者自身が驚いています。この 結果を踏まえて、発見された対称性をより深く理解し、 ブラックホールや時間の矢の問題に対して、新しい研究 方法を提供したいです。 概要 「乱雑さ」は、「エントロピー」と呼ばれる量によって表わされます。エントロピーはマクロな物質の性質をつかさどる量として19世紀中頃に見い出され、

    乱雑さを決める時間の対称性を発見-100年前の物理と数学の融合が築くミクロとマクロの架け橋-
    Ditty
    Ditty 2016/06/02
  • ガラスは本当に固体か? -コンピュータシミュレーションと情報理論による予測-

    量一 工学研究科教授、Paddy Royall ブリストル大学物理学科博士、Karoline Wiesner 同博士らのチームは、コンピュータシミュレーションと情報理論とを組み合わせた研究を行い、ガラス状態にある物質中では固体的領域と液体的領域が混在するものの、低温・高密度になるほど固体的領域のサイズが増大し、その領域では分子がある特定の幾何学的構造に組織化されていることを発見しました。 研究成果は、2015年1月22日(英国時間)付の英国科学誌「Nature Communications」電子速報版に掲載されました。 ここでいうガラスとは、液体が温度低下とともに不規則な分子構造のまま固体的になった物質、あるいはその状態のことです。これ自体、今日の科学の進歩の速度からすると非常に長い間解明されないままの難問ですが、それだけではなく「粉粒体の詰り(ジャミング)」、「土砂や火山灰の流動化

    ガラスは本当に固体か? -コンピュータシミュレーションと情報理論による予測-
    Ditty
    Ditty 2015/02/04
  • 世界で初めてチンパンジー胎児の脳成長が明らかに:ヒトの脳の巨大化はすでに胎児期からスタート

    人類の脳の大きさは、ホモ(Homo)属の登場以降、急速に拡大しました。とくに大脳は、ほかの霊長類にくらべて、かけ離れて大きく発達してきました。酒井朋子 霊長類研究所研究員、平田聡 同特定准教授、竹下秀子 滋賀県立大学教授らの研究グループは、株式会社林原 類人猿研究センター(岡山県玉野市)との共同で、世界で初めてチンパンジー胎児の脳容積の成長パターンを明らかにしました。その結果、ヒトの脳の成長が妊娠後期まで加速し続けるのに対して、チンパンジーの場合は妊娠中期に成長の加速が鈍ることが分かりました。このことは、胎児期の段階ですでにヒトとチンパンジーの脳容積の成長パターンが異なり、ヒトの脳の巨大化は胎児期からスタートしていることを示します。 この研究成果は、2012年9月24日(アメリカ東部標準時間)に、Cell Pressの出版誌であるCurrent Biologyの中で報告されました。 研究の

    世界で初めてチンパンジー胎児の脳成長が明らかに:ヒトの脳の巨大化はすでに胎児期からスタート
    Ditty
    Ditty 2012/10/29
  • 京都大学-お知らせ/ニュースリリース 2007年4月10日 近赤外光を使って水を分解する光合成の新たな仕組みの解明

    三室 守 地球環境学堂・人間・環境学研究科教授らの研究グループは、近赤外光を使って水を分解する光合成の新たな仕組みを明らかにしました。これは、地球の生産性と炭素循環に新たな視点を与えるものと考えられます。 【発表論文】 論文題名 Identification of the special pair of photosystem II in a chlorophyll d-dominated cyanobacterium (クロロフィル d を主要な色素とするシアノバクテリアの光化学系IIのスペシャルペアーの同定) 掲載紙 Proceedings of the National Academy of Science, USA (米国科学アカデミー紀要) 著者 鞆 達也 (京都大学大学院地球環境学堂) 大久保 辰則 (筑波大学大学院数理物質科学研究科) 秋 誠志 (北海道大学大学院工学研究科

    Ditty
    Ditty 2012/07/04
  • 宇宙竜巻の正体-回転ブラックホールからの双極ジェットの痕跡-

    2011年11月25日 鶴 剛 理学研究科教授(物理第二教室宇宙線研究室)、澤田真理氏、小山勝二氏(京都大学名誉教授)、岡 朋治 慶應義塾大学理工学部准教授らの研究グループは、謎の宇宙竜巻「トルネード」の正体を日のX線天文衛星「すざく」と野辺山45m電波望遠鏡で明らかにし、回転するブラックホールが放出した高エネルギー粒子の双極ジェットが生み出した痕跡であることを突きとめました。 宇宙竜巻「トルネード」は図1の写真にみられるように、螺旋状の渦巻き電波天体です。このような不思議な形状の天体は他に例を見ません。いったいその正体は何なのでしょうか。1960年の発見以来、その正体を巡って「エキゾティックな超新星爆発の残骸、遠方の巨大ブラックホールが放出する単方向ジェット、回転する中性子星」などの説が提案されてきましたが、いずれも疑問が残り、なにより決め手となる観測が欠けていました。 その決め手を得

    宇宙竜巻の正体-回転ブラックホールからの双極ジェットの痕跡-
  • 寄生者(ハリガネムシ類)が駆動する渓畔生態系のエネルギー流の解明

    2011年4月12日 佐藤拓哉 次世代研究者育成センター特定助教(受け入れ機関:フィールド科学教育研究センター)、渡辺勝敏 理学研究科准教授らの研究グループの研究成果が、米国の著名な国際誌「エコロジー(Ecology)」に、4月8日に発表されました。 【論文情報】 SatoT, Watanabe K, Kanaiwa M, Niizuma Y, Harada Y. and Lafferty K. D. 2011 Nematomorph parasites drive energy flow through a riparian ecosystem. Ecology 92: 201-207 日語タイトル 「寄生者(ハリガネムシ類)が駆動する渓畔生態系のエネルギー流」  当研究は、佐藤特定助教が奈良女子大学共生科学研究センター在籍時になされ、その後、次世代研究者育成センターに特定助教として赴

    寄生者(ハリガネムシ類)が駆動する渓畔生態系のエネルギー流の解明
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