男女の賃金格差はどの国でも見られるが、先に挙げた女性の賃金の中央値ではOECD諸国のなかでも日本は最下層に位置する。 2021年7月時点では、プライム市場に上場する企業の約3分の1において、女性役員が0人というのが実態である。さらに、30~60代女性の4割がセクハラを経験したことがあるという事実も明らかにされている。 繰り返すが、女性差別はある。それは、明らかだ。 だが、「男性に対する差別」もある。 そして、男性差別については、驚くほど語られることが少ない。 男性は女性を養って当たり前、の価値観 政府がまとめた「令和4(2022)年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査結果(概要)」では、 性別役割に対する考え方についてアンケートを実施、男女それぞれ約5400人の回答が得られた。その中で「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」と答えた男性は48.7%にのぼった