ポルトガル商人に毎年1000人が海外へ売られた!『大航海時代の日本人奴隷』著者が踏み込んだキリシタン史のタブー 写真:Werner Forman/Universal Images Group/Getty Images ルシオ・デ・ソウザ/岡美穂子著『大航海時代の日本人奴隷 増補新版』(中公選書)は、書名の通り、大航海時代まっただ中の16世紀――日本では戦国時代――に、多くの日本人がポルトガル商人たちによって世界各地へ奴隷として売られていたことの実証研究をまとめたものである。旧版は好評を得て5刷と広く読まれたが、増補新版ではイエズス会の日本人奴隷取引とのかかわりや、秀吉の朝鮮出兵によって長崎市場が朝鮮人奴隷だらけになったことなどに関する研究を補章として加え、旧版以上に驚くべき内容となっている。 東京大学大学院情報学環(史料編纂所兼任)の岡美穂子准教授に、この時代の日本/日本人の奴隷貿易につい