幡野広志に会った後、僕にはもう一人どうしても会っておきたい人がいた。 それが、高願寺で安楽死について対談した、在欧州ジャーナリストの宮下洋一だ。 宮下は、吉田ユカがエントリーしようとして断られたスイスの自殺幇助団体・ライフサークルをはじめ、ヨーロッパやアメリカの安楽死事情を取材して『安楽死を遂げるまで』(小学館)という本にまとめて日本に紹介した方。最近は、神経難病を患った日本人がライフサークルで安楽死を遂げるまでを密着取材し、『安楽死を遂げた日本人』(小学館)という本を上梓して日本中に衝撃を与えた。 宮下は、安楽死で死に至るという方法自体は否定していないが、日本の文化の中でそれが性急に法制化されることに警鐘を鳴らし続けている。幡野とは別の考え方をもち、海外に暮らしながら取材を続けてきた宮下に、「安楽死制度があっても、それを使いたいと思う人をひとりでも減らしたい」という僕の考えを聞いてもらい
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