日本は今、輸出の急減による未曾有の有効需要縮小に直面している。これを放置すれば、日本経済は、これまで経験したことのない深刻な経済停滞に陥る。 それを解決する手段は、金融緩和ではない(量的緩和は企業の資金繰りを助けるが、それ以上の効果はない。輸出が激減する状況では、資金繰りが好転しても金利が引下げられても、生産活動や設備投資は活発化しない)。また、諸外国が金利引き下げを行なった結果、円安誘導で外需依存経済成長を復活させることもできない。したがって、有効需要を補填する手段は、財政赤字の拡大による財政支出の拡大以外にはない。 必要な拡大規模は、輸出の落ち込み規模などから考えて、GDPの少なくとも5%程度という巨額なものになる。額で言えば、30兆円程度だ。これを実行するには、国債発行額をほぼ倍増する必要がある。 言うまでもなく、これは破天荒の規模である。日本経済は、それほど大きな問題に直面している