李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2797号よりつづく) 日本では,相変わらず「医療についても,公を減らして民を増やせ」と主張する向きが後を絶たないようだが,そういった人々がお手本と推奨する米国の医療保険制度は,いま,絶望的な状況に陥っている。 米国の絶望を示す「7分の1」 「民」を主体とする米国の医療保険制度の絶望的状況を象徴するのが「7分の1」という数字である。国全体としてGDPの「7分の1」を超える巨額の医療費を費やしているにもかかわらず,医療へのアクセスが保障されない無保険者が,なんと,人口の「7分の1」を占めているのである。 「民」で医療保険制度を運営したときに大量の無保険者が出現するのは「宿命」といってよく,無保険者を減らそうとすれば「公」が介入せざるを得ないのは米国も例外ではない。米国の医療保険制度に「公」が介入した実例としては,1965年のメディケア(高齢者)・メディケ
![帰ってきたハリーとルイーズ | 2008年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8a4dff8a9e522297397c704998bf26eb76ca2858/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.igaku-shoin.co.jp%2Fpackages%2Figaku_shoin%2Fthemes%2Figaku_shoin%2Fassets%2Fimages%2Figakushoin_paper.png)