DX(Digital transformation)とは,「デジタル技術によってビジネスや社会,人々の生活を変えること」とされます。つまり医療DXは,「テクノロジーや情報技術によって医療が改善し,社会や人々の生活を変えること」と考えられます。そして医療DXの鍵であり,医療情報において欠かせないのが電子カルテです。今年9月に設置された「医療DX令和ビジョン2030」厚労省推進チームにおいても,電子カルテ情報および交換方式の標準化,標準型電子カルテの検討が始まっています1)。本稿では,日米豪の3か国で臨床医や研究者としてさまざまな電子カルテを使用し,現在は大学病院の医療情報部にも勤務する筆者が,現場からみた電子カルテの活用(表)について考察します。 現場の負担を軽減するには 1)あらゆるデータをカルテに自動送信 質の高い電子カルテを導入することで享受できるメリットとして,カルテへの入力が挙げら
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