2018年、日本の教育界で「ブラック校則」を追放しようという機運が高まりました。「ブラック校則」とは「一般社会から見れば明らかにおかしい校則や生徒心得、学校独自ルールなどの総称」のことです(注1)。 この問題が社会から注目を浴びたきっかけは2017年9月の黒髪染髪訴訟でした。これは大阪府の公立高校に通う女子生徒が、生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう何度も強要されたことで精神的苦痛を受けたとして、大阪府を相手に損害賠償訴訟を起こしたものです。 報道によれば、女子生徒は4日に1度の頻度で注意を受け、文化祭や修学旅行への参加も拒否されたことで、過呼吸症状となって不登校を余儀なくされたとのこと。この件をめぐってはツイッターなどのSNSで人権侵害との批判が相次ぎ、英BBC放送や米TIME誌など海外メディアにも取り上げられるなど大きな社会的反響がありました(注2)。 事件を受けて、12月には評論家の荻