2018年5月11日(金曜日) 米中間には巨額な貿易不均衡が生じており、それを是正すべきことは両国間で一致しているが、その原因やアプローチ方法について、両国の考え方はかみ合わない。話し合いはうまく行かず、米国は一方的な貿易制裁措置という極端なアプローチで中国に譲歩を迫っているが、中国も対抗措置を発表して、貿易紛争の度合いが増してきている。米国の制裁措置案は、既存の貿易製品(鉄鋼など)からハイテク製品へシフトし、未来の産業を育成する産業政策「中国製造2025」をターゲットとしたのである(注1)。 米国は、建前では、中国が「中国製造2025」という産業政策を通じて不公正な補助金によって対象産業の過剰生産能力を形成したり、市場取引によらない海外技術の獲得をサポートしたりすることを批判している。一方、世界の主要メディアは、米国政府高官の話(注2)を引用して、米中貿易摩擦の原因は貿易不均衡よりも次世