シノドスという試みをご存じだろうか。ギリシア語で「集会」を意味するこの言葉を掲げて、2007年以来、新たな知の公共空間を切り拓きつつあるのは、思想史の俊英・芹沢一也氏。彼は、高原基彰、雨宮処凛、本田由紀、萱野稔人、阿部真大、高桑和巳、廣瀬純、中島岳志、鈴木謙介、橋本努といった論客をゲストに迎え、参加者とともにとことん議論を交わす超高密度セミナー「シノドス」を運営して注目を集めている。『ウェブ炎上』の著者であり、「トラカレ!」「荻上式ブログ」など多くの人気ブログを運営してきた注目の批評家・荻上チキ氏の参加を得て、さらなる展開を見せるというシノドスについて、主宰者のお2人にうかがった。 ――なぜシノドスという場を始めてみようと思われたのですか? 芹沢氏■きわめて単純な驚きからです。『狂気と犯罪』(講談社、2005)や『ホラーハウス社会』(講談社、2006)といった一般向けの本を執筆することで、