窪田順生の時事日想: ここ数年、いわゆる「ブラック企業」にお勤めの方たちに取材をする機会がちょいちょいある。 ビックリするような過重労働や、あまりにも酷いパワハラの実体験をうかがわせていただき、心から気の毒だなと感じる一方で、いつも不思議に思うことがある。 【他の画像】 「そんなに辛いなら、お辞めになったらいかがですか?」 なんて質問をすると、だいたいみなさん一瞬凍りつくというか、ビミョーな空気になってしまうのだ。 だいたい、「家族もいますし……」とか「辞めても、次がなかなか見つかりませんし……」という答えが返ってくるのだが、なかには「は? なに言ってんの」というオーラを漂わせ、明らかに気分を害されたようになる方も多い。 このご時世、転職者が簡単に思うような職にありつけないことはよく知っている。家族もいればおいそれと会社を辞めることなどできるわけがないのも当然だ。 とはいえ、