生肉メニューの“王様”として人気の「牛のレバ刺し」が、今月いっぱいで姿を消す。厚生労働省は昨年7月、食品衛生法に基づき全国の飲食店に牛の生レバー(肝臓)の提供自粛を要請してきたが、今月12日に「禁止」を正式決定。以降、県内の焼き肉店などは「食べ納め」へと足を運ぶ客で連日にぎわっている。「一つの食文化が消える」。別れを惜しむ声が、夜の繁華街に響く。 午後8時を過ぎると、店内は満席となった。26日、火曜日の夜。「ほとんどレバ刺し目当てのお客さまで、先週からずっとこの状態です」。横浜市中区のホルモン屋「幸喜屋」の川合崇友店長(33)は「うちの看板商品。衛生管理を徹底して開店以来5年間、一度も問題になったことがない。禁止が決定されたものは仕方ないが、悔しい」と話す。来月からは、コンロと一緒に「焼きレバー」として提供する予定だ。 同市港南区から職場仲間3人で訪れていた看護助手の大野直美さん(40