CDが飛ぶように売れ、音楽業界に活気があった1990年代の平成ソングが、今の若者に愛されている。SNS(ネット交流サービス)には当時の曲に振り付けしたダンス動画が投稿され、音楽番組では特集が組まれる。若者にとっては生まれる前に流行した音楽で、つまりは「懐メロ」。どこに踊りたくなるほどの魅力があるのか。 今年2月、歌手の広瀬香美さんは動画投稿アプリTikTokを開き、目を疑った。93年にリリースした代表曲「ロマンスの神様」に合わせて踊る動画が続々と表示される。若者を中心に、みんな同じ振り付けで楽しそうに踊っている。「30年も前の曲の何が若い子にささるの?」と不思議だった。