コンピュータは、クリエイティブな表現をするための強力な道具ですが、その表現の大部分はノートPCや携帯電話の画面に閉じ込められています。物の操作や人とのやりとりができるコンピュータの力を、画面の中から我々のいる物質世界に引っ張り出すという話をしたいと思います。 何年か前に、高級ファッションブランドの「バーニーズ・ニューヨーク」から電話をもらい、店のショーウィンドウの中に動く彫刻を作ることになりました。その作品は「チェイス」という名前で、男物と女物の靴が、ゆっくりと緊迫感のあるドラマを演じます。男の靴が女の靴の後を追い、近づきすぎると彼女はまた距離を置きます。靴の中には磁石が仕込んであり、テーブルの下の磁石と対になって靴を動かしています。 友人がビョーク(歌手)の「バイオフィリア」というツアーのために、ロボットが自動演奏するハープを作っていました。私は、ハープを動かし音楽を奏でるための電子回路