携帯料金の引き下げを強く訴えてきた前官房長官の菅義偉氏が、内閣総理大臣に就任した。就任時に「日本の携帯電話料金世界で最も高い」と発言し、電波利用料の引き上げにも言及するなど、寡占が指摘されている携帯大手3社によりいっそう強い圧力をかけて料金引き下げを求めるとみられているが、菅氏の方針を受けてこれまで総務省が取り組んだ施策を振り返ると、真の消費者ニーズを捉えられておらず競争が進んでいない様子も見えてくる。 総理就任で大手3社に一層の料金引き下げ圧力が 2020年8月28日に前内閣総理大臣の安倍晋三氏が辞任。それを受けて2020年9月16日に内閣総理大臣に選出されたのが、前官房長官の菅義偉氏である。菅氏はかつて総務大臣も務めており、携帯電話業界にとって非常に因縁のある人物であることは、多くの人が知るところだろう。 そのことを世に知らしめたのが、約2年前の2018年8月に、携帯電話の料金を「4割
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