N社(大阪府、従業員12人)は、下請企業として受託メッキ加工業を営んでいたが、技術開発を基に下請から脱却。現在では開発型企業として大手企業と企画段階から仕事をする形態に変化している。 【下請企業の苦労】 N社は創業以来、他のメッキ企業の下請としてメッキ加工を受託していた。しかしながら、条件面の悪い仕事が次第に増加したために、1970年代には短納期対応をアピールして、現金取引の小口顧客を中心とする戦略を採った。この戦略では顧客の確保はできたものの、成長を遂げることはできなかった。それは、相応の設備投資を行っていかないと成長が難しいという業種特性が大きな要因だったという。 また、製品・技術動向を把握していないと簡単に受注を打ち切られてしまうという現実もあった。そこで、製品・技術動向を把握するのであれば、その情報を基にして製品の企画、開発段階から、製品メーカーに対して提案のできる企業になることを