さすが公共放送、見事な調査報道だと絶賛されたが、すぐに「メッキ」が剥がれる。「文春デジタル」など一部メディアによれば、この無線記録簿をNHK記者に提供をしたのは事故被害者の遺族。NHKは兵庫県警記者クラブの幹事社という元締め的な立場だったので、遺族の無念を広く世に伝えて欲しいと、「記者クラブで共有してください」と告げたという。 しかし、フタを開けてみれば、記録簿はNHKの「独占スクープ」と報じられた。要するに、他社に渡さずに懐に入れてしまったのである。不審に思った遺族が他社の記者に問い合わせをして、この「ネタの着服」は発覚し、NHKは記者クラブから除名処分となったというわけだ。 なぜ「弱者」の信頼を裏切る記者が相次ぐのか という話を聞くと、「あれ? ちょっと前にも似たような話が……」と思うかもしれない。財務省公文書改ざん問題などで、安倍政権の疑惑を追及されている有名ジャーナリスト、望月衣塑