大きく出遅れた日本のEVシフト 「EV(Electric Vehicle、電気自動車)というのを自動車として見るのもそうですが、“エネルギーを運ぶモノ”として見ることがEVの本質です」 長年、世界を飛び回って自動車業界の動向を分析している深尾三四郎さん(42)の言葉は新鮮だった。欧米や中国に比べて自動車のEV化に大きく出遅れている日本の自動車産業は、どう巻き返すことが出来るのか。 その答えを求めて深尾さんに会ったが、話の内容は自動車に留まらず、エネルギー、地方創生など日本社会の在り方にまで広がった。 「自動車の専門家としてEVを見ている観点でいうと大きなテーマは2つあります。EVシフトの本質は何かというのと、もう1つはソリューション(解決)的なところですけど、これは日本が“縦割り”からどうやって抜け出すかという大きなテーマです」 深尾さんの現在の肩書は伊藤忠総研上席主任研究員であると共に、