(本稿は、『週刊金曜日』2018年2月2日号(通算 1170号 )の「論争」欄に寄稿したものに、編集段階で削除された執筆記者名など若干の加筆を加えたもの。『週刊金曜日』の記事転載許可を得た上で、本サイトに掲載する。) 『週刊金曜日』2019年1月12日号の「AI時代の両生類たち」という平井康嗣編集主幹による「にんしんSOS東京」代表理事の中島かおりさんへのインタビュー記事を読んだ。どういう思いからこうした大変な活動をしているかがわかり、興味深かった。その一方で、記事に頻出する「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という女性の自己決定の権利(以下、リプロの権利)の表記や意味づけに一貫性が見られない点に不安も抱いた。 記事を読み、助産師である中島氏が監査役を務める「全国妊娠SOSネットワーク(全妊ネット)」に興味をもち、サイトを覗いた。すると「全妊ネット」の大半が自治体運営の窓口であった。さらに