遣唐使「円仁」足跡 中国で発見2010年7月10日12時6分 石板の見つかった法王寺。中国でも最も古いとされる寺の一つだ=中国河南省、酒寄雅志さん提供 発見された石板からとった拓本。左端の2行に「圓仁(円仁)」「大唐会昌五年」の文字が刻まれていた=酒寄雅志さん提供 9世紀の中国での人々の暮らしや信仰の姿を伝える詳細な記録「入唐求法巡礼行記(にっとうぐほうじゅんれいこうき)」を残し、比叡山を日本仏教の母山へと発展させた天台僧、慈覚大師円仁(えんにん)(794〜864)。その名を刻んだ石板が中国河南省登封市の法王寺で見つかった。苦難を乗り越え民衆の仏教をもたらした高僧の姿が、千年以上の時を超え浮かび上がってきた。 円仁が少年期を過ごしたと伝わる栃木県岩舟町の大慈寺を、法王寺の僧が訪ねてきたのは今年1月。住職の林慶仁さんに石板の写真を示し、「調べても中国には該当者が見あたらない」と、そこに刻まれ