この記事は、四川省の省都・成都市の文化情報発信サイト『Go Chengdu』の連載「川菜一番」の日本語版です(中国語版はこちら)。「外国人が見た四川料理」をテーマに、80C編集のサトタカが成都の美食を日中のメディアで発信します。 中国料理の味わいを表現する言葉に、家常(ジャーチャン|jiācháng)という言葉がある。家庭風という意味合いだが、四川料理における家常は、豆板醤(豆瓣醤 ※以降、日本式の表記である豆板醤と記す)を使った味わいであることが多い。 豆板醤は「川菜之魂(四川料理の魂)」といわれる。日本でもおなじみの麻婆豆腐や回鍋肉はもちろん、魚を煮込んだ豆板魚、煎り焼きした豆腐を煮込んだ家常豆腐、芋と鶏肉をこっくりと煮込んだ芋儿焼鶏など、豆板醤を使った四川料理は枚挙にいとまがない。恐らく、名もなき家庭料理もあるだろう。 日本の場合、“辛さのちょい足し”に使われることも多いので、そう言