File.72 まえる 世の中には誤植があふれている。 ごぞんじでない方のために説明すると、誤植とはこぬいうものだ。 新聞や雑誌、その他あらゆる紙媒体で誤植は見かけることができる。だれでも、「らめーん」や「ぎょざー」などの誤植を見かけたことはあるだろう。「水戸黄色」「エリック・プランクトン」などの誤植も比較的ポピュラーなものである。 私は誤字や誤植といったものにはうるさい人間なので、誰も気付かないような些細な誤植を発見することが多い。先日も、ある雑誌をめくっているときに普通では気付かないような誤植を発見した。 前後の文脈は忘れたが、読者からの投稿欄だったと記憶している。たしか、このような文章だった。 「私は一歳の男の子を持つ主婦です。いつも『アァンアァンアァン』を読んでいるのですが……(以下略)」 凄いタイトルの本もあるものだと感心してしまったが、その後を読み進めてゆくにつれ