今のような昔のような不思議な時代、竹取の翁というものがいました。野山に押し入り竹を取っては、いろんな用途に供していました。 竹は炭素で出来ています。カーボンの筒を高く伸ばし、地面の熱で暖められた空気を根本からとりこみ、上昇気流を中に通して、マイクロタービンを回してはエネルギーを取り出すのです。翁は竹の作る電気を拝借し、時々は竹を引っこ抜いて合成機関にぶち込む材料に使い、あるいは竹のオルタナティブ遺伝子をハックしていろんなものを合成させたりしていました。 竹は翁の干渉を好まず、あの手この手で排除しようとします。翁にしてみれば、無秩序に増殖されるより適度な淘汰圧があったほうがお互いのためになると考えていたのですが、竹も翁も、その辺のニュアンスを伝えるには、コミュニケーション能力にちょっぴり難があるのでした。そのためことはどうしても戦いの様相を呈してしまうのですが、タケノコより年の功と申しまして
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