福島第一原子力発電所の事故は、核融合科学研究所(土岐市)が計画する重水素実験にも影響を与えている。自治体との協定締結の準備を進める最中の事故を受け、安全性を疑う市民団体は県や地元3市に中止を要望。研究所は広報に懸命だ。ただ、3市は「核融合と原発は異なる」との立場で、締結の準備は進んでいる。 「重水素実験はウラン燃料を使わないため、福島第一原発のようなことは絶対におこりません」 今月1、2両日、同研究所周辺の土岐、多治見、瑞浪3市に配られた新聞の朝刊全紙に、核融合発電の安全性を強調する折り込みチラシが入れられた。同研究所によると、こうした緊急のPRは初めてという。 一方、「多治見を放射能から守ろう! 市民の会」などは、実験で発生する中性子は研究所の説明ほど微量ではないと主張し、県や多治見、土岐両市に質問書を提出した。 また、多治見市が協定について2月18日〜3月20日に募ったパブリックコメン