まだ鎌倉に実家があるころ、ずっと二匹の猫を飼っていた。一家離散となったあと、猫は親が引き取った。猫は長生きをした。最後に残った一匹が死ぬ前の晩、その猫が夢に出てきた。確率論的にそういうこともあるのだろうな、と思った。母から猫が弱っていると聞いていたという理屈もあるんだろう。一方で、なにか不思議なこともこの世にあるのではないか、とも感じた。 LINEの着信音で目が覚めた。ずっとLINEの調子が悪くて、着信の通知がずっと切れていた。ところがここ最近、復活しつつあった。着信があったり、なかったりする。おれは枕元のiPhoneを手にとってLINEを開いた。 母からの父の訃報だった。実はそれ以前にべつのグループで「息をしていないので救急車を呼びました」というむねのLINEが送られていた。その通知はなかったか、おれは寝ていて気づかなかった。 おれは夢を見ていた。街なかのおれは全裸で、同じく全裸のきれい

