十二支といえば、「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)」。そう、あの動物がいないじゃないですかっ。今日は、なぜ十二支にネコがないのか、ということについて考えます。 猫が、元来、自分の食物であるねずみの子を育てるというのは、ずいぶん不思議なことのようであるが、必ずしもないわけではない。げんに、中国には千二百年も前に、そういう記録が二つも残されている。 いずれも唐の時代で、一つは玄宗の天宝元年十月(七四二年)魏郡(河南省西北部)で猫とねずみがいっしょに乳を飲んだという話が『五行志』に載っている。 もう一つは、代宗の大暦十三年夏六月(七七九年)隴右(ろうう)が、いっしょに乳を飲んでいる猫とねずみを献上したという話で、これは『資治通鑑細目』に載っている。 平岩米吉『猫の歴史と奇話』 さて、ネコがなん