まるで恐竜の尻尾が人間に付いたかのようなグロテスクな外観に思わず目が留まる。男性の腰から伸びた「尻尾」は、前屈すると後ろに跳ね、体を右に傾けると左方向へと動いた。体のバランスを失いそうになると、自動的にサポートしてくれる。これを付ければ、動物にはあって人間にはない感覚を疑似体験できる。 尻尾は、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(横浜市)で南澤孝太教授が主宰するEmbodied Media(身体性メディア)研究室が開発した。「もし人間が尻尾を取り戻したらどうなるのか。コンセプチュアルなものとして作製した」と南澤氏は話す。 体重数十kgの人間の体のバランスを取る必要があるため、尻尾は全長70~80cm、重量3~4kgと一定の重さにしている。体の一部のような滑らかな動きにしているのは、「尻尾」の内部に入っている空気圧の人工筋肉だ。動物の尻尾を参考に、体の動きとは反対方向に「尻尾」が動くこ
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