著作権が消滅した文学作品を無料で読める電子図書館「青空文庫」。その存在が今、揺れている。政府が環太平洋経済連携協定(TPP)の事前協議で、著作権の保護期間を現行の作者の没後50年から、米国の要求する同70年に延長する可能性が高まっているためだ。20年も延長されれば、青空文庫で今後扱える作品数が大幅に減少。青空は一転"曇り空"になってしまうのか。「著作権の保護期間延長なんて絶対反対」「米国にすり
【藤井裕介、赤田康和】環太平洋経済連携協定(TPP)で、「著作権の保護期間」を米国などに合わせて作者の死後70年に延長することが検討されている。日本の消費者にとってデメリットも多いが、著作権法を所管する文部科学省では延長容認論が出始めている。 交渉参加12カ国中、日本、カナダなど6カ国は死後50年。米国、豪州など6カ国は70年以上だ。米国が延長を求めているとみられる。政府は見解を明らかにしていないが、文科省幹部は「農業のように譲れない問題ではない。反対の声もあるが、広がりはない」と延長容認の考えを示した。 米国が延長を求めるのは海外でも人気の作品を多数抱え、その輸出で稼いでいるから。一方、日本は印税など著作権使用料の国際収支で約6千億円の赤字だ。 続きを読む関連記事著作権保護延長、TPPで容認論 死後50年→70年 米の要求受け8/1〈WEBRONZA〉TPPで揺れる日本の著作権7/1
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