五輪汚職-記者たちが迫った祭典の闇 (単行本) 作者:読売新聞社会部取材班 中央公論新社 Amazon コロナの影響で、1年開催が延期された上、大半の競技が無観客で行われたため、五輪見たさに海外から大挙して押し寄せる客から金を踏んだくろうとしていた日本経済界が、史上最大の肩透かしを喰らう結果となったのが、2021年に開催された「2020東京オリンピック」。五輪がスポーツの祭典ではなく、一大経済活性化イベントと化してからは恐らく最大の損失を出したことだろう。 こんな大損だらけの五輪でもしっかり甘い汁を吸っていた人物はいたようで、五輪終了後に発覚したのが、五輪招致並びにスポンサー選定に関する汚職。電通の元重役で五輪組織委員会理事の高橋治之氏がさまざまな便宜を図るために多額の賄賂を受け取っていたとされる事案だ。 標題の書は、五輪招致からスポンサー選定に至る過程で高橋氏がどのような権限を持ち、どの